住宅の断熱性能を示す『断熱等級』は、住まいの快適性や光熱費、省エネ性能に大きく関わる重要な基準です。なかでも『断熱等級5』は、2022年に新たに定められた比較的新しい等級で、これからの家づくりにおいて注目されています。
等級4よりも優れた断熱性を持ち、ZEHや補助金の条件を満たす住宅としても活用されています。本記事では、断熱等級5の基準や性能、他の等級との違い、建てるメリットや実例、選び方のポイントまで詳しく解説します。これから家を建てる方は、ぜひ本記事を読んで参考にしてみてください。
なお以下では、千歳・恵庭・苫小牧エリアのおすすめの注文住宅会社を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
そもそも断熱等級とは?
断熱等級とは、住宅の断熱性能を示す国の基準であり、『住宅性能表示制度』の中で定められています。断熱性能が高いほど、外気の影響を受けにくくなり、室内温度の安定や冷暖房効率の向上、省エネルギー化につながることが特徴です。
等級は1〜7までの7段階に分かれており、数字が大きいほど高性能です。もともとは等級4までが標準でしたが、近年の省エネ志向の高まりにより、2022年には新たに等級5〜7が追加されました。住宅の快適性や資産価値を左右する重要な指標として、家づくりの初期段階から意識しておくことが求められます。
断熱等級5とは?性能や基準を解説
断熱等級5は、2022年に導入された新たな省エネ基準で、これまでの等級4よりも高い断熱性能を求められる等級です。具体的には、外皮平均熱貫流率(UA値)の基準がより厳しく設定されており、地域ごとの気候条件に応じた数値が定められています。
等級5を満たす住宅は、冷暖房効率が高く、年間を通じて安定した室温を保ちやすくなるため、省エネ性・快適性の両面で優れています。また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の基準に近く、補助金制度の対象にもなりやすいことが特徴です。今後の住宅の新しいスタンダードとして注目されている等級です。
断熱等級4・5・6・7の違いは?特徴を解説
断熱等級は、数字が大きくなるほど断熱性能が高いことを示す指標です。2022年には等級5〜7が新たに導入され、住宅の性能比較がより明確になりました。ここでは、等級4から等級7までのそれぞれの基準や特徴の違いについて解説します。
以下に、それぞれの等級の違いを詳しく説明していきます。
断熱等級4
断熱等級4は、2000年に国が定めた『次世代省エネルギー基準』に準拠した断熱性能を持つ住宅です。長年にわたって標準的な基準として採用され、多くの新築住宅がこの等級に対応しています。
地域区分ごとに定められたUA値(外皮平均熱貫流率)を満たすことで、冷暖房効率を確保し、光熱費の削減にもつながるとされています。ただし、2022年以降は等級5以上が登場し、等級4は相対的に『最低基準』とされるケースが増えています。そのため、今後の住宅づくりにおいては、等級4の性能が十分かどうかを、ライフスタイルや居住地の気候に応じて見極める必要があります。
断熱等級5
断熱等級5は、2022年に新たに導入された基準で、等級4よりも高い断熱性能を持つことが求められます。UA値の基準がより厳格に設定されており、これにより冷暖房の効率がさらに向上し、省エネ性が高まります。
等級5の住宅は、ZEHに近い水準の性能を持ち、光熱費の大幅な削減が期待できます。また、補助金制度の対象としても注目されており、長期的な経済性にも貢献します。
現在では、断熱等級5が新築住宅のスタンダードになりつつあり、将来の価値を見据えて家を建てる方には非常に有利な選択肢といえるでしょう。
断熱等級6
断熱等級6は、等級5よりもさらに高い性能を持ち、住宅全体の省エネ性と快適性を大きく向上させる等級です。等級6では、UA値がより厳格になり、熱の出入りが少ない構造が求められます。これにより、夏は涼しく冬は暖かい室温を保ちやすくなり、冷暖房設備に頼る時間が短縮されるため、光熱費のさらなる削減につながります。
また、結露のリスクを抑え、建物の耐久性にも寄与する点がメリットです。住宅の快適性や健康的な暮らしを重視する人にとって、等級6は性能面で非常にバランスの良い選択肢といえるでしょう。
断熱等級7
断熱等級7は、現在の基準で最も高い断熱性能を誇る等級であり、UA値は0.26以下と非常に厳しい基準が設定されています。このレベルの断熱性を実現することで、室内の温度は外気の影響をほとんど受けず、年間を通じて快適な居住環境を維持しやすくなります。
冷暖房にかかるエネルギーを最小限に抑えることができるため、環境負荷の低減や光熱費の大幅削減に貢献します。ただし、施工には高い技術力と適切な素材の選定が必要で、建築コストも上昇する傾向があります。とはいえ、省エネ志向が高まる中で、将来を見据えた持続可能な住宅を目指すなら、等級7は理想的な選択肢といえるでしょう。
断熱等級5の住宅を建てるメリット
断熱等級5は、2022年に新たに定められた比較的新しい基準です。等級4よりも高い断熱性能が求められ、省エネ性や快適性が向上することから、多くの住宅会社が標準仕様として採用し始めています。
ここでは、断熱等級5の住宅を建てることで得られる主なメリットをご紹介します。
それぞれの項目について、以下で詳しく解説します。
省エネ基準を満たした安心の高性能住宅
断熱等級5は、2022年に国が定めた新たな省エネ基準であり、等級4よりも厳しいUA値の基準が設定されています。この等級を満たす住宅は、建物全体での熱の出入りを抑える設計になっており、冷暖房の効率が大幅に向上します。つまり、季節を問わず室内の温度を安定させやすく、年中を通して快適に過ごせる環境が整うということです。
また、断熱等級5は今後の住宅の『新しい標準』とされる動きもあり、時代に即した高性能住宅として、長期的にも安心できる性能を備えています。
光熱費を大幅に抑えられる
断熱等級5の住宅は、外気温の影響を受けにくい構造になっているため、冷暖房の使用頻度や運転時間が減少し、光熱費を抑える効果が期待できます。実際、国土交通省の試算によれば、断熱等級4の住宅と比較して年間数万円程度のエネルギーコスト削減が可能とされています。
また、冷暖房に頼らずとも室温を一定に保てるため、体にも優しい住環境を実現できます。特に冬の暖房費が高くなりがちな寒冷地においては、等級5の断熱性能が家計への負担軽減に直結するため、長期的な経済効果も見逃せないポイントです。
ZEHや補助金制度の対象になりやすい
断熱等級5を満たす住宅は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に近い性能を有しているため、各種の住宅支援制度や補助金の対象になりやすいというメリットがあります。たとえば、国の『こどもエコすまい支援事業』や自治体の住宅補助金制度などでは、一定以上の断熱性能を要件としていることが多く、等級5をクリアしていれば申請の可能性が高まります。
また、こうした制度を活用することで初期費用の軽減にもつながり、家づくりの総コストを抑えられる可能性があります。補助金の活用を視野に入れる方にとって、断熱等級5は大きなアドバンテージとなるでしょう。
実際に断熱等級5を備えた住宅の実例
断熱等級5の性能やメリットについて理解が深まったところで、次に気になるのは『実際にどのような家が建てられているのか』という点ではないでしょうか。ここでは、実際に断熱等級5を備えた住宅の事例をご紹介します。
断熱等級5の100平米の家「結露や温度差の悩みがなくなった」



断熱等級5の実例です。東京都中野区に住むAさんご家族は、住宅密集地に位置する旗竿地に延床約100㎡の注文住宅を建築しました。
以前の住まいで結露や温度差に悩まされていた経験から、高気密・高断熱の性能にこだわり、断熱等級5(UA値0.51)を採用。リビングから小屋裏まで吹き抜けの大空間を実現しながらも、夏は小屋裏のエアコン、冬は1階収納に設置された床下エアコン1台で快適な室温を維持しています。
床下からの暖気と屋根裏からの冷気をうまく活用し、家全体を効率よく冷暖房する設計がなされています。部屋を仕切らずとも温度差が生まれにくく、開放感と快適性を両立。アレルギー改善や洗濯物の速乾、観葉植物の生育など暮らしの質の向上も実感されています。住宅性能が生活環境に与える効果を実感できる好例です。
断熱等級5を選ぶ際の注意点
断熱等級5は、省エネ性能や快適性の面で優れた基準ですが、選び方を間違えるとその性能を十分に発揮できないことがあります。単に数値基準を満たしているだけでなく、設計や施工の段階で注意すべき点があります。
ここでは、断熱等級5を選ぶ際に気をつけたい代表的なポイントを紹介します。
それぞれの内容について、以下で詳しく解説します。
気密性とのバランスを考慮する必要がある
断熱等級5の住宅を建てる際に見落とされがちなのが、気密性とのバランスです。断熱性能だけを高めても、隙間風が多い家では室内の温度を一定に保つことが難しく、冷暖房効率も低下します。つまり、高断熱と高気密はセットで考える必要があります。気密性能を示す『C値(相当隙間面積)』が低いほど、隙間が少なく性能を最大限に発揮できます。
気密性が確保されていないと、断熱材の性能が理論値通りに働かないケースもあります。断熱等級5の家づくりでは、UA値とともにC値の確認も忘れず、気密測定を実施する施工会社を選ぶことが重要です。
断熱性能に詳しい注文住宅の実績がある会社を選ぶ
断熱等級5の性能を確実に実現するためには、断熱設計や施工に精通した住宅会社を選ぶことが不可欠です。高断熱仕様は材料選びだけでなく、施工精度にも左右されるため、気密処理や断熱材の施工におけるノウハウが蓄積された会社でなければ、期待される性能が得られない可能性があります。
また、住宅会社によっては等級4を基準とした仕様が標準のところも多く、等級5に対応するには設計変更やオプション費用がかかる場合もあります。事前に断熱等級5の施工実績があるかどうか、またUA値やC値などの性能数値を開示しているかを確認することで、安心して家づくりを進めることができるでしょう。
結局、断熱等級はどうやって選んだら良い?判断ポイント
断熱等級を選ぶ際は、『地域の気候』『家族構成』『生活スタイル』『予算』の4つを軸に検討することが重要です。寒冷地では等級6〜7、温暖地では等級4〜5でも快適性を確保できる場合があります。
また、共働きで日中は不在が多い家庭と、在宅時間の長い家庭では必要な断熱性能が異なります。さらに、初期費用だけでなく、光熱費や補助金の対象可否など長期的なコストも加味することが大切です。自分たちの暮らしに合った等級を選ぶことで、無理のない快適な住まいが実現するでしょう。
断熱等級の高い住宅を建てる際の、信頼できる会社の選び方
断熱性能の高い住宅を建てるためには、断熱等級に対する十分な知識と施工実績を持つ会社を選ぶことが不可欠です。性能を数値で示すことはもちろん、建材の選定や設計の工夫を的確に行えることが求められます。
ここでは、信頼できる会社選びのために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
以下で、それぞれの判断基準について詳しく解説します。
断熱材や工法を具体的に説明できる会社を選ぶ
信頼できる住宅会社を選ぶうえで、断熱材の種類や施工工法について具体的に説明できるかどうかは非常に重要なポイントです。たとえば、グラスウール・発泡ウレタン・セルロースファイバーなど、それぞれの断熱材には断熱性・施工性・コストに違いがあります。それらの特徴を根拠とともに提示できる会社は、知識と経験が豊富である証拠といえます。
また、壁の厚み、気密処理の方法、窓やサッシの仕様まで細かく説明してくれるかどうかも確認しましょう。仕様書や説明資料を交えた丁寧な提案があるかが、会社選びの判断材料になります。
気密・換気・日射まで含めた提案があるか確認する
断熱性能は単体で考えるものではなく、気密性・換気計画・日射遮蔽の設計と一体で評価されるべき要素です。たとえば、どれだけ高性能な断熱材を使っても、気密処理が不十分であれば断熱効果は大きく低下します。
また、換気システムには熱交換型の第一種換気や第三種換気などがあり、それぞれに適した使い方があります。さらに、窓の配置や庇の設計などを工夫すれば、夏の日射を抑えて冬は取り込むといったパッシブ設計も可能です。これらを踏まえた提案ができる会社は、性能を総合的に捉えており、信頼性が高いといえるでしょう。
断熱等級の実績や施工事例がある会社を選ぶ
断熱等級の高い住宅を確実に建てるには、実際にその等級での施工実績がある会社を選ぶことが重要です。たとえば、断熱等級5〜7の施工事例を公開している会社であれば、性能確保のためのノウハウや管理体制が整っていると考えられます。
また、UA値やC値といった数値目標を明示し、それに対する測定結果を開示している会社は、透明性が高く安心して任せられます。ホームページやパンフレットで実例や性能値をチェックできるかも確認しましょう。単に『高性能』とうたうだけでなく、実績を数値と事例で証明できる会社を選ぶことが、後悔しない家づくりにつながります。
千歳・恵庭・苫小牧でおすすめの注文住宅会社3選
千歳・恵庭・苫小牧エリアで注文住宅を建てるなら、地域の気候に合った設計力と信頼性のある施工実績を持つ住宅会社を選ぶことが重要です。高断熱・高気密といった性能面に加え、土地探しや資金計画までトータルにサポートできる体制が整っている会社は、初めての家づくりでも安心です。
ここでは、エリアで高い支持を得ている注文住宅会社を3社ご紹介します。
それぞれの会社の特徴を詳しく解説します。
コスモ建設株式会社

コスモ建設株式会社は、苫小牧市を拠点に道央・道南エリアで住宅建築を手がける地域密着型の建設会社です。
項目 | 詳細 |
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会社名 | コスモ建設株式会社 |
本社所在地 | 〒004-0841 札幌市清田区清田1条1-5-1 第6コスモビル |
本社電話番号 | 011-802-6715 |
千歳店所在地 | 〒066-0037 千歳市新富1-2-1 |
千歳店電話番号 | 0123-25-8946 |
公式HP | https://www.cosmokensetsu.co.jp/ |
コスモ建設株式会社は『高断熱・高気密・高耐震・高耐久』を掲げ、北海道の厳しい気候に対応した住宅性能を強みとしています。特徴的なのは、耐震性に配慮したベタ基礎構造や、全棟での気密測定の実施など、住宅性能に対する明確な数値管理を行っている点です。
施工エリアを限定することで品質を維持し、アフターサービスの迅速さも確保しています。モデルハウスや構造見学会も定期的に実施されており、性能を体感したうえでの判断ができるのも魅力のひとつです。千歳・恵庭・苫小牧周辺で性能重視の家づくりを検討する方にとって、安心して相談できるパートナーといえるでしょう。
コスモ建設株式会社について知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。
以下の記事では、北海道で40年以上にわたり、お客様一人ひとりの夢を形にしてきたコスモ建設株式会社の注文住宅づくりについて詳しく紹介しています。

株式会社ロゴスホーム
株式会社ロゴスホームは、北海道・東北・北信越を中心に展開する注文住宅ブランドで、千歳・苫小牧エリアでも着実に実績を積み上げている住宅会社です。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社ロゴスホーム |
本社所在地 | 〒080-0803 北海道帯広市東3条南13-2-1 |
電話番号 | 0155-22-4126 |
公式HP | https://www.logoshome.jp/ |
高断熱・高気密の『北海道品質』と、デザイン性やコストのバランスを両立する設計提案を強みとしています。土地探しから設計、資金計画、アフターサービスまでをワンストップで提供する体制が整っており、初めての家づくりでも安心して任せられます。
また、オープンハウスやモデルハウスでの実例見学も可能で、実際の暮らしを想像しながら計画を進められる点も好評です。ライフスタイルに合わせた柔軟な提案と、地域密着の対応力を求める方におすすめの住宅会社です。
また、以下の記事ではロゴスホームについて詳しく解説しているので、参考にしてください。

株式会社一条工務店

株式会社一条工務店は、全国的に展開するハウスメーカーでありながら、北海道の気候に対応した住宅性能の高さが際立つ企業です。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社一条工務店 |
本社所在地 | 〒135-0042 東京都江東区木場5-10-10 |
電話番号 | 053-448-1111 |
公式HP | https://www.ichijo.co.jp/ |
『家は、性能。』を掲げる通り、標準仕様で高断熱・高気密・耐震性能を実現しており、寒冷地でも快適に過ごせる住宅づくりを行っています。全館床暖房をはじめとする住宅設備は、居住者の快適性を第一に考えた設計となっており、省エネ性と居住性を両立できる家づくりが魅力のひとつです。
千歳・恵庭・苫小牧にも展示場があり、実際に性能を体感できる機会が豊富です。住宅性能を重視したい方や、長く快適に暮らせる家を建てたい方にとって、信頼できるパートナーとして検討する価値のある住宅会社です。
また、以下の記事では一条工務店について解説しているので、参考にしてください。

まとめ
本記事では、断熱等級5の性能や基準、等級4〜7との違い、住宅を建てる際のメリットや実例、注意点、会社選びのポイントまで幅広く解説しました。断熱等級5は、2022年に新たに設けられた基準で、快適な住環境と省エネ性を両立できるバランスの取れた等級です。
ZEH基準に近く、補助金制度の対象にもなりやすいため、今後の住宅のスタンダードになると考えられます。性能を最大限に活かすためには、気密性や施工精度にも注意し、実績豊富な住宅会社に依頼することが重要です。
自分たちのライフスタイルや地域の特性に合った断熱等級を見極め、後悔のない家づくりを進めましょう。